医療関係のみなさま

8.センターに寄せられたご質問

Last Update:2021年5月10日

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1.医療事故調査制度について
●医療事故の対象・判断について

質問①
「医療事故」と明確に判断できる事例のみが、医療事故報告の対象となりますか?
回答
本制度では「医療事故」の疑いを含むものも対象となっていますので、事故かどうかわからないもの、医療事故を否定できないものも報告の対象に含まれます。
質問②
制度上の「死産」とは妊娠何週をさしますか?
回答
「死産」となるのは、妊娠12週(4か月)以降(戸籍法に基づく)です。
質問③
医師法第21条により警察に届け出をしたので医療事故報告は不要ですか?
回答
医師法第21条とは別の制度ですので、医療事故調査制度の対象か否かを検討し、対象になると判断した場合はセンターへの報告も必要となります。
質問④
「医療事故」と判断した事例に対して、遺族が「報告しなくてよい」と言う場合はセンターに報告する必要はありませんか?
回答
遺族より報告や調査は不要との申し出があった場合でも、センターへの報告は必要です。
本制度では、医療機関の管理者が「医療事故」と判断した場合は、遅滞なく報告することが義務付けられています。
質問⑤
予想を超えた合併症により死亡した場合は、医療事故報告の対象になりますか?
回答
報告対象は医療に起因した(疑いを含む。)予期しない死亡なので、合併症を発症した事例であっても、事例毎に判断することとなります。判断に迷う場合は、支援団体(都道府県医師会等)または当センターにご相談ください。

2.初期対応について
●発生直後の対応について

質問①
つい先ほど、患者が亡くなりました。どうしたらよいでしょうか。
回答
医療事故発生時の情報を確実に保存することが重要であり、「必要だったのに捨ててしまった」「記録が残っていない」等ということがないように、事例に関係する情報について広い範囲での保存が必要です。
まずは、医療事故発生時の情報を確実に保存し、発生状況を把握することが重要です。体内に留置されているカテーテル類は抜去せず、各種モニター記録、関連が疑われる医療材料や薬剤があれば保存します。また、必要に応じて検体を保存し、新たな検体を採取する場合はご遺族の同意が必要となります。
日本医師会が作成した「研修ワークブック 院内調査のすすめ方」では、医療事故が発生した際の、初期対応、調査に必要な情報の収集・整理、院内調査の方法、医療事故調査結果報告書のまとめ方について、基本的な手順やチェックすべき項目と、項目に関連する資料や記載例などについてまとめて掲載されています。ご参考ください。

日本医師会 「研修ワークブック 院内調査のすすめ方 2020年度 研修資料
質問②
つい先ほど、患者が亡くなりましたが、医療事故かどうか判断に迷っています。どのようにすれば良いでしょうか。
回答
医療事故の判断は医療機関の管理者がすることになっていますが、その判断は困難な場合があります。判断に迷われる場合は、医療事故調査等支援団体窓口(都道府県医師会)もしくはセンターにご相談ください。センターでは、医療事故の判断に関する考え方を助言する「センター合議」をご案内しております。センター合議をご希望の場合は、平日の日中にご相談ください。
質問③
解剖までの間、ご遺体はどのように保存したら良いでしょうか。
回答
  1. 体温に近い温度で安置した場合、臓器・組織が変質する可能性が高くなります。ご遺体の乾燥を防ぐためにシーツで覆った後、組織変化を最小限にするため2~4℃程度に保冷します。このため、専用の保冷室、保冷庫に安置することが望まれます。
  2. 専用の保冷施設がない場合には、保冷のため具体的には保冷剤や氷を両腋下や体幹両側に当てて冷やします。通常の冷凍庫(-20℃)で冷却された保冷剤を使用する場合、皮膚に接触する面が凍結すると解剖に支障をきたすことがありますので、使用する場合は凍結を避けるため、胸部、腹部にのせず、側胸部あるいは側腹部におくようにして下さい。ドライアイスは体から数センチ距離を置き設置してください。その上で体全体をシーツで覆ってください。

(日本病理学会より)

病理解剖説明資料

●解剖施設について

質問④
  • 自分の施設では解剖ができないので、解剖ができる施設を紹介してもらえないでしょうか。
  • 遺族が他施設での解剖を希望しているので、解剖ができる施設を紹介してもらえないでしょうか。
  • 解剖施設を探しているが、夜間のため探すことができない。
回答
医療事故調査・支援センターでは、解剖施設の紹介は行っておりません。ご遺体を適切な方法で保管し、平日の日中に支援団体である都道府県医師会にご相談ください。

ご遺体の保存方法

●その他

質問⑤
医師法21条により警察に届け出をしたので、医療事故報告は不要でしょうか。
回答
医師法21条とは別の制度ですので、医療事故調査制度の対象か否かを検討し、対象になると判断した場合は、センターへの報告も必要となります。

3.医療事故調査に関するご相談について
●電話によるご相談について

質問①
医療事故調査・支援センターの相談電話はいつでもかけられますか?
回答
相談電話は、平日9:00~17:00に対応しており、平日17:00以降の夜間および土・日・祝日は、緊急を要するご相談(報告対象となる可能性がある死亡が発生した直後の対応)に対応しております(23:00~翌7:00は休止)。

●相談内容について

質問②
夜間・休日の緊急を要する相談内容とはどのようなものがありますか?
回答
報告対象となる可能性がある死亡が発生した直後の対応(解剖やAiなどの実施)に関するご相談を想定しています。死亡直後の対応以外のご相談は平日9:00~17:00におかけください。 なお、死亡直後の対応等については、ホームページ内でも掲載しております。ご参照ください。

「2.初期対応について」はこちら▼

質問③
センターでは具体的にはどのような相談に対応してもらえますか?
回答
制度に関する問い合わせや、医療事故の判断に関する相談、医療事故調査に関わる内容等に対応しております。

●医療事故の判断に関するご相談について

質問④
具体的な事例の医療事故の判断に関する相談はどのように対応してもらえますか?
回答
「事例相談用紙(様式5)をセンターにご提供いただきますと、1週間程度で医療事故の判断に関する考え方を助言いたします。(「医療事故の判断に関する相談」参照)

4.センターへの医療事故発生報告について
●報告手順について

質問①
「医療事故」と判断した場合、遺族に説明する前にセンターへ連絡する必要はありますか?
回答
遺族に説明する前に、ご連絡いただく必要はありません。
センターへの報告は、遺族に必要事項を説明した後にお願いします。

●報告内容について

質問②
発生報告の様式1の「調査実施計画と今後の予定」には、どのようなことを記載すれば良いですか?
回答
具体的な規定はありませんが、調査期間の目安や調査方針(委員会開催予定や外部委員の有無等)を記載してください。そしてこれらは遺族にも説明してください。

5.院内調査
●解剖について

質問① 解剖を実施するまでの間、遺体の保存はどうしたらよいですか?
回答
  1. 体温に近い温度で安置した場合、臓器・組織が変質する可能性が高くなります。遺体の乾燥を防ぐためにシーツで覆った後、組織変化を最小限にするため2~4℃程度に保冷します。このため、専用の保冷室、保冷庫に安置することが望まれます。
  2. 専用の保冷施設がない場合には、保冷のため具体的には保冷剤や氷を両腋窩や体幹両側に当てて冷や します。通常の冷凍庫(-20度) で冷却された保冷剤を使用する場合、皮膚に接触する面が凍結すると解剖に支障をきたすことがありますので、胸部や腹部には当てないよう注意してください。 またドライアイスは約-79度ですので、使用する場合は凍結を避けるため、胸部、腹部にのせず、側胸部あるいは側腹部に置くようにしてください。ドライアイスは体から数センチ距離を置き設置してください。その上で体全体をシーツで覆ってください。

(日本病理学会より)

●委員について

質問②
院内調査の外部委員は、当院の系列の病院から選任してもよいですか?
回答
委員の構成について制度上の規定はありませんが、透明性、公正性、中立性の観点から利益相反が生じることのない委員を選任することが望まれます。まずは、支援団体(都道府県医師会等)にご相談ください。
質問③
当該医療従事者には、オブザーバーとして委員会に参加してもらったほうが良いですか?
回答
制度上の規定はありませんが、当該医療従事者が参加する場合は、経過等の確認を行う時に参加してもらい、審議の時間には退席してもらうという方法があります。

●ヒアリングについて

質問④
当該医療従事者へのヒアリングでは、当該上司にも付き添ってもらい実施したほうが良いですか?
回答
制度上の規定はありませんが、他者の意見に影響を受けないよう原則1名ずつ行うことが望まれます。

●調査期間について

質問⑤
院内調査の期間に決まりはありますか?
回答
制度上の規定はありませんが、外部委員の派遣や複数回の委員会開催や報告書作成等にある程度の時間は必要となり、事例の内容にもよりますが、数か月以上かかる場合が多くあります。

6.センターへの院内調査結果報告について
●報告について

質問①
院内調査結果報告書の所定の様式はありますか?
回答
所定の様式はありませんが、参考までに報告様式ならびに報告書フォーマットを示していますので、必要に応じて、ダウンロードし使用してください。
質問②
終了時報告の後に、センターから報告書に対するフィードバック(意見や評価)はありますか?
回答
医療機関から提出された調査報告書に対して、センターから個別でフィードバック(意見や評価)することはありませんが、再発防止策の検討を充実させるため、必要に応じて、センターから医療機関に確認・照会を行うことがあります。また、院内調査中のご相談には応じていますので、何か不明なことがあればお問い合わせください。

7.センター調査
●センター調査依頼について

質問①
裁判中なのですが、センター調査は申請できませんか?
回答
本制度は、医療事故の再発防止を目的としているため、係争中であるか否かがセンター調査の申請に影響するものではありません。

●調査への協力について

質問②
遺族がセンター調査を申請した場合、医療機関は調査に協力しなくてはいけませんか?
回答
センター調査では、センターから医療機関に、文書や口頭による説明や、資料の提出等、必要な協力を求めることがあり、医療機関はこれを拒んではならないとされています(医療法6条の17)。医療機関のみなさまにはご協力をよろしくお願いいたします。
質問③
医療機関がセンター調査に協力することとは、具体的にはどのようなものですか?
回答
センターが医療機関に協力を求めた場合、医療機関は、診療録等の必要な情報の提供や、書面又は対面によるヒアリング等にご協力いただくことがあります。
質問④
自施設で医療事故報告を行いましたが、患者は搬送先の医療機関で死亡されました。センター調査に協力する場合、搬送先の医療機関の診療情報はどのように得たらよいですか?
回答
搬送先の医療機関と連携をとっていただき、情報の収集をお願いします。もし、それが難しい場合はセンターにご相談ください。

●行政解剖、司法解剖結果の情報について

質問⑤
院内調査で、行政解剖や司法解剖の結果を得たいのですが、センター調査で請求してもらえますか?
回答
行政解剖の結果は、遺族に解剖所見の説明がなされ、死体検案書(死亡診断書)が交付されます。また、司法解剖の場合も、遺族の求めに応じて検察が開示した例もありますので、遺族にご相談いただくことをおすすめします。
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