センター調査とは、医療機関がこの制度における対象として「医療事故」に該当すると判断し、すでにセンターに報告した事例について、ご遺族又は医療機関がセンターに調査を依頼した場合に行う調査です。
センター調査は、第三者としての専門的立場から院内調査の内容について可能な範囲で事実確認や調査・分析を行い、事故の原因を明らかにし、再発防止を図ることで、医療の質と安全の向上に資することを目的としています。また、個人や医療機関の法的責任を追及する調査ではなく、医療の透明性を高め、医療の不確実性等を明らかにして、医療機関とご遺族との間の相互理解を促進することを期待しております。 センター調査に先行して実施される院内調査は、医療事故の原因を分析することを通じて自らの組織における医療安全の問題点を見直し、さらに発展させるプロセスとして重要なものです。センター調査において院内調査の検証を行った結果、院内調査の結果と異なる場合もありますが、それぞれの調査結果は尊重され、相まって再発防止に役立つことが期待されます。
医療機関から、既にセンターへ「医療事故報告」されている事例が対象です。
センター調査は、院内調査の検証を基本とすることから、原則として院内調査の終了後に開始します。 場合によっては、院内調査の終了前に、当該事例の調査に必要な事項に関する情報の収集および整理等の調査を開始することがあります。その場合も院内調査の検証は、院内調査の終了後に行うこととなります。
センター調査に要する期間は1年6カ月程度を目標としておりますが、専門的な見地から調査・分析を重ねセンター調査報告書を作成するため、調査の期間が延びる可能性があります。その理由としては、検体の追加検査、解剖に関する情報収集、当該医療機関以外の診療録の取り寄せ、複数回に渡る書面による情報提供依頼などが挙げられます。進行状況は、概ね3か月ごとにご遺族及び医療機関にお知らせします。
センター調査申請 |
ご遺族又は医療機関より申請をしていただきます。 |
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①申請受付 |
➊申請受付 センターは、センター調査申込書受理後、ご遺族と当該医療機関にセンター調査管理番号などの書類を送付します。 <センターから郵送でお送りする書類> |
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②総合調査委員会で審議 <調査の方向性と個別調査部会の構成を検討> |
❷総合調査委員会で審議 |
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③個別調査部会の設置 <事例ごとに設置> |
❸個別調査部会の設置 |
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④個別調査部会での検証 <検証・分析> |
❹個別調査部会での検証 ![]() |
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⑤総合調査委員会で審議 <個別調査部会との審議> |
❺総合調査委員会で審議 |
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⑥センター調査報告書の交付 |
❻センター調査報告書の交付 |
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⑦質問に対する回答書の交付 |
❼質問に対する回答書の交付 |
以下にセンター調査報告書を構成する項目(1~11)を示します。
1.はじめに
2.事例概要
(1)事例概要
(2)患者に関する基本情報
(3)医療機関、関係医療者に関する情報
3.医療事故調査の方法
(1)院内調査の検証にあたって提出された資料
(2)センターにおいて追加調査した事項
4.調査分析の経緯
5.臨床経過
▼考え方▼
センター調査は事実をもとに医学的・専門的な検証を行うため、診療記録を確認します。診療記録から不明な点は、書面による情報提供依頼により情報を得ます。これらの情報を「臨床経過」として、時系列で整理します。
6.原因を明らかにするための調査の結果
(1)死因の検証
▼考え方▼
どのような医療行為によって、どのような病状変化が起こり、その後どのように病態が変化して死亡に至ったかを検証します。
(2)臨床経過に関する検証・分析
▼考え方▼
検証・分析は、結果を知ってからであることを念頭に置き、当時の医療水準やガイドライン等の指標に基づき、当該事例において実際に行われた医療行為について、実施した時点における情報を根拠に「事前的視点」で行います。 具体的には、患者の病状や診療が行われた場所(外来・病棟・ICU等)を考慮して、時系列で臨床経過の場面を区切り、各場面を診療のプロセス(➊診断、➋治療選択・適応・リスク評価、❸インフォームド・コンセント、もしくは病状説明、❹治療・検査・処置、❺患者管理・観察体制)に沿って検証・分析を行います。
7.総括(まとめ)
8.再発防止策について
▼考え方▼
患者の死亡という結果を知った上で経過を振り返り、どうすれば同じような事故を防止できるかという「事後的視点」で検討します。再発防止策は問題点の列挙にとどめるのではなく、その背景に注目し、それらを克服するための、人為的努力に頼らない「具体的」で「実現可能なもの」を提案します。
9.その他の事項
▼考え方▼
死因には関係ないが、安全管理上、重要な指摘事項があった場合に記載します。
10.要約
11.調査関連資料
センター調査における資料の取り扱いや、センター調査報告書作成時の委員間の情報共有・意見交換にあたっては、セキュリティーの高いシステムを使用し、情報の秘匿を厳守します。
医療機関から、既にセンターに報告されている医療事故について、ご遺族又は医療機関からセンターに対し調査の依頼をすることができます。
(1) 当ページから以下の書類をダウンロードして、必要事項を記載し申込書とセンター調査を依頼した理由を作成してください。
様式等
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ダウンロード
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センター調査申込書(遺族用)様式4 ※様式4が変更になりました |
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センター調査についての説明 |
【センター調査の費用】
センターでは、守秘義務を厳重に遵守いたします。また機構は、個別のセンター調査報告書及び
その他センター調査の内部資料については、法的義務のない開示請求に応じません。
上記の内容についてご不明な点は、センターにご連絡ください。
【センター連絡先電話番号】03-3434-1110
【郵送先住所】
【振り込み口座】
ゆうちょ銀行からお振り込みをされる場合
他行からお振り込みをされる場合