医療事故調査制度では、以下の①と②の双方に該当するものが本制度の対象となる「医療事故」と定義されています。
① | すべての病院、診療所(歯科を含む。)又は助産所に勤務する医療従事者が提供した医療に起因する(又は起因すると疑われる)死亡又は死産 |
② | 医療機関の管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったもの |
医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産 | 左記に該当しない死亡又は死産 | |
管理者が予期しなかったもの | 制度の対象事案 | |
管理者が予期したもの |
出典:厚生労働省ホームページ「医療事故調査制度に関するQ&A(9/28更新)」一部改変
※ 本制度の対象は、平成27年10月1日以降の死亡又は死産の事例に限定されています。
※ 本制度の対象は、医療過誤の有無によって決定されるものではありません。
「医療」の範囲
「医療」の範囲に含まれるものとして、手術、処置、投薬及びそれに準じる医療行為(検査、医療機器の使用、医療上の管理※1など)があります。(下表参照)
なお、「医療」の範囲に含まれるか否かは、疾患や医療機関における医療提供体制の特性・専門性によって異なります。
※1施設管理等の「医療」に含まれない単なる管理は制度の対象となりません。
「医療」の範囲に含まれるもの | |
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診察 |
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検査等(経過観察を含む) |
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治療(経過観察を含む) |
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その他(管理者が医療に起因し、又は起因すると疑われるものと判断した場合) |
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「医療」の範囲に含まれないものの具体例 | |
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施設管理に関連するもの |
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併発症提供した医療に関連のない、偶発的に生じた疾患 | |
原病の進行 | |
自殺(本人の意図によるもの) | |
その他 |
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死産について
「医療に起因し、又は起因すると疑われる、妊娠中または分娩中の手術、処置、投薬及びそれに準じる医療行為により発生した死産で、人口動態統計の分類における「人工死産」は対象なりません。
医療機関の管理者が予期しなかった死亡又は死産とは、次のいずれにも該当しないものです。
※ 死亡又は死産に関する「説明」「記録」があった場合であっても、 死亡又は死産の予期について当該患者の個人の病状・臨床経過を踏まえた内容でなければ「予期していたこと」にはなりません。
「予期していたこと」に該当しない例
患者個人の病状等を踏まえない一般的な死亡の可能性についてのみの説明や記録は、予期していたことには該当しません。
患者の死亡又は死産がこの制度の対象になるかどうか(この制度の「医療事故」に該当するかどうか)について、医療機関の管理者(院長)が院内で検討の上、判断します。
つまり、制度の対象になるかどうかについては、ご遺族の方ではなく、医療機関が判断する制度となっています。
複数の医療機関から医療が提供された場合(患者の転院等)は、双方の医療機関で連携してこの制度の対象になるかどうかを判断します。